古代メソポタミアについて知るためのブックリスト
随時更新。めちゃくちゃ見辛いのであとで形体別に整理したりしなかったりするかも……
楔形文字を書いてみよう 読んでみよう:古代メソポタミアへの招待
- 作者: 池田潤
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2017/05/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 作者: 大貫良夫,渡辺和子,前川和也,屋形禎亮,樺山紘一,山内昌之,礪波護
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1998/11
- メディア: 単行本
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創世神話、洪水伝説、いわゆる『ギルガメシュ叙事詩』の原型となったギルガメシュ王の物語など、シュメル人が作り出した様々な神話についてまとめられた本。シュメル神話の入門書としておすすめ。</s多くの場合、神話の原文が直接訳されているわけではなくあらすじでの紹介になっているが、他ではあまり知ることができないであろう作品について学べる。新書なのでしょうがない部分もあるが、参考文献が末尾にまとめて示されているだけなので、記述の元を辿りにくい点がある。
確認はしてないのであくまで推測だが、ウルクのバターケーキやイシュタルに関する説明など、この本から抜き出したような文章が多くあったので、スマホゲームFGOの第七章バビロニアのネタ元になっている一冊だと思われる。なので、FGOバビロニアでメソポタミアやシュメル神話が気になった人はこれを買ってみるといいかも。
シュメル神話の世界―粘土板に刻まれた最古のロマン (中公新書)
- 作者: 岡田明子,小林登志子
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2008/12/01
- メディア: 新書
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- 小川英雄先生傘寿記念献呈論文集刊行会 編集『古代オリエント研究の地平―小川英雄先生傘寿記念献呈論文集』リトン、2016
- 樺山紘一『岩波講座世界歴史〈2〉オリエント世界―7世紀』岩波書店、1998
- 岸本通夫 他『古代オリエント』(世界の歴史2)(河出文庫)河出書房新社、1989
- 小泉龍人『都市誕生の考古学』(世界の考古学)同成社、2001
- 小泉龍人『都市の起源―古代の先進地域=西アジアを掘る』(講談社選書メチエ)講談社、2016
- 小板橋又久『古代オリエントの音楽―ウガリトの音楽文化に関する一考察』リトン、2006
- 後藤健『メソポタミアとインダスのあいだ:知られざる海洋の古代文明』(筑摩選書)筑摩書房、2015
- 小林登志子『シュメル―人類最古の文明』(中公新書)中央公論新社、2005
- 小林登志子『5000年前の日常―シュメル人たちの物語』新潮社、2007
- 蔀勇造『歴史意識の芽生えと歴史記述の始まり』(世界史リブレット)山川出版社、2004
- 柴田大輔 編『楔形文字文化の世界―月本昭男先生退職記念献呈論文集〈第3巻〉』聖公会出版、2014
- 杉勇『楔形文字入門』(講談社学術文庫)講談社、2006
- 杉勇 他 訳『古代オリエント集』(筑摩世界文学大系1)筑摩書房、1978
絶版。シュメール、アッカド、ウガリト、エジプトの西アジア各地の神話や文学がまとめられている。そのぶん、とても分厚い。有名なエヌマ・エリシュやアダパ物語をはじめとした種々の創作物を日本語で読めるとても貴重な本。アッカド編に含まれるのは、「エヌマ・エリシュ」「ギルガメシュ叙事詩」「アトラ・ハシース物語」「イシュタルの冥界下り」「虫歯の物語」「バビロンの新年祭」「アダパ物語」「ネルガルとエレシュキガル」「ズーの神話」「エタナ物語」「サルゴン伝説」「バビロニアの神義論」「イシュタル賛歌」「エラの神話」「バビロニアの知慧文学」。シュメール(とエジプト)は下に書いたように文庫化されている。アッカド編の文庫化もお願いします筑摩書房さん…
解説
2『叙事詩』成立史
3『叙事詩』の構成と物語技法
4『叙事詩』の主題をめぐって
5『叙事詩』の宗教文化史的背景
6「ギルガメシュ」信仰のひろがり
あとがき
- 中田一郎『ハンムラビ「法典」』(古代オリエント資料集成)リトン、2000
「目には目を~」で一般的に有名なハンムラビ「法典」を原典から翻訳し、注解・解説を付した労作。条文を通してハンムラビが治めた古バビロニア時代の社会・文化を垣間見ることができる。
初学者にオススメ。最初の一冊としてふさわしいメソポタミア文明の入門書。ジュニア新書とあるようにジュニア向けにわかりやすく簡潔に書かれている。メソポタミアの歴史を通史的にたどるような本ではなく、メソポタミアの歴史と風土から始まり、シュメル都市国家の説明、楔形文字と文書、書記と学校、文学作品についてなどいくつかのトピックに分けて書かれている。現在は絶版になってしまった様子。
- 中田一郎『ハンムラビ王―法典の制定者』(世界史リブレット人)山川出版社、2014
ハンムラビ「法典」の中で、戦いに勝利した王、人々に安寧と豊穣をもたらした王、正義の維持者として自身を誇ったハンムラビは実際にはどのような王であったのかについて当時の史料に基いて検討したもの。
前半ではハンムラビ率いるバビロン第一王朝がメソポタミアを平定するまでの道のりに多くの紙幅が費やされている。特に、上メソポタミア王国崩壊~エラムのエシュヌンナ侵攻~ハンムラビによる統一に至るまでの各国間の勢力均衡とその破れはそれだけでも面白い。
後半では史料に基づきながら豊穣と正義の維持者としてのハンムラビに迫っていく。ハンムラビと地方総督との間でやり取りされた、不正や土地問題に関する係争を伝える手紙を通して、統治者としてのハンムラビ王の姿をうかがい知ることができる。
- 中村滋・室井和男『数学史―数学5000年の歩み』共立出版、2014
- 中村滋・室井和男『シュメール人の数学:粘土板に刻まれた古の数学を読む』(共立スマートセレクション)共立出版、2017
- 日本オリエント学会編『古代オリエント事典』岩波書店、2004
- 前川和也『図説 メソポタミア文明』(ふくろうの本/世界の歴史)河出書房新社、2011
- 前田徹『都市国家の誕生』(世界史リブレット)山川出版社、1996
- 前田徹『メソポタミアの王・神・世界観―シュメール人の王権観』山川出版社、2003
- 前田徹『初期メソポタミア史の研究』(早稲田大学学術叢書)早稲田大学出版部、2017
- 前田徹 他『歴史学の現在―古代オリエント』山川出版社、2000
初学者にオススメ。古代オリエントの歴史だけに一冊を費やしている。都市文明の成立からアケメネス朝ペルシア時代までの通史を概観することができることに加え、政治・社会・経済・史料など個別の項目も一部付されている。便利なのは、それらの項目で個別的な研究と当時のその動向も示されている点。巻末の文献案内も充実していて有用。コンパクトで参照しやすいのも良い。ただ、教養向けというより研究者になりたいような人に向けて書かれているような印象はあるかもしれない。絶版になっている可能性があります……
- 矢島文夫『オリエントの夢文化―夢判断と夢神話』東洋書林、2007
- 矢島文夫 訳『ギルガメシュ叙事詩』(ちくま学芸文庫)筑摩書房、1998
- 山田重郎『ネブカドネザル2世:バビロンの再建者』(世界史リブレット人)山川出版社、2017
- 歴史学研究会 編集『古代のオリエントと地中海世界』(世界史史料第1巻)岩波書店、2012
=歴史学研究会 編集『古代のオリエントと地中海世界』【世界史史料1】(岩波オンデマンドブックス)岩波書店、2018
- 渡辺和子「メソポタミアの太陽神とその図像」『太陽神の研究』下(宗教史学論叢8)リトン、2003
- 渡辺和子「メソポタミアの異界往還者たち」『異界の交錯 上』(宗教史学論叢10)リトン、2006
- 渡辺和子「「メソポタミア宗教史」への展望」『宗教史とは何か 下巻』(宗教史学論叢14)リトン、2009
- 渡辺和子「『ギルガメシュ叙事詩』における夢とその周辺」『夢と幻視の宗教史 下巻』(宗教史学論叢18)、2014
- 渡辺和子「メソポタミアにおける「祈祷呪術」と誓約」『「呪術」の呪縛 下巻』(宗教史学論叢20)リトン、2017
- 渡辺和子『エサルハドン王位継承誓約文書』(楔形文字文書研究1)リトン、2017
- 渡辺和子「『ギルガメシュ叙事詩』の新文書ーフンババの森と人間」『死生学年報2016 生と死に寄り添う』リトン、2016
古代メソポタミアの中心都市の一つであったバビロン市に焦点を当てた本。簡単なバビロン市の歴史とイシュタル門やエサギラ神殿をはじめとした建築物について概観している。
楔形文字の一般的な説明、その文字を使用した民族と言葉、文字解読のプロセスなど楔形文字を知るための概説書。楔形文字に興味を持つ読者にとって有益。120ページくらいなのでさらっと読める。
- D.コロン『円筒印章―古代西アジアの生活と文明』東京美術、1996
- H.フランクフォート『古代オリエントの神話と思想』社会思想社、1978
- H.クレンゲル『古代バビロニアの歴史―ハンムラピ王とその社会』山川出版社、1980
- H.クレンゲル『古代オリエント商人の世界』山川出版社、1995
- J.ボテロ『バビロニア:われらの文明の始まり』(「知の再発見」双書)創元社、1996
- J.ボテロ『最古の料理』(りぶらりあ選書)法政大学出版局、2003
- J.ボテロ『メソポタミア―文学・理性・神々』法政大学出版局、2009
- J.ボテロ『最古の宗教〈新装版〉―古代メソポタミア』法政大学出版局、2013
- J.ボテロ『バビロンとバイブル〈新装版〉:古代オリエントの歴史と宗教を語る』法政大学出版局、2013
- J.G.マッキーン『バビロン』法政大学出版局、2009
- M.S.B.ダメルジ『メソポタミア建築序説―門と扉の建築術』国士舘大学イラク古代文化研究所、1987
- S.N.クレマー『歴史はスメールに始まる』新潮社、1959
- S.N.クレマー『シュメールの世界に生きて―ある学者の自叙伝』岩波書店、1989
- S.N.クレマー『聖婚―古代シュメールの信仰・神話・儀礼』新地書房、1989
- S.ダリー『バビロニア都市市民の生活』(世界の考古学)同成社、2010
- W.W.ハロー『起源―古代オリエント文明:西欧近代生活の背景』青灯社、2015